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2016年8月25日 (木)

岩手県の教育振興運動と一関市の協働のまちづくりは学校PTAを追い詰めている

 2ヶ月以上も前のことになるが、私の投稿が6/20付け岩手日日新聞紙上に掲載された。文字数の制限があったため、割愛したり要約したりのもので、私の思いとは若干ニュアンスが相違する部分もあるので、投稿原文をブログで紹介しておきたい。ちなみに、最下部の市P連総会においでいただいた勝部一関市長の挨拶に関する部分はまるまる割愛し、先日のブログ(http://peki-chan.cocolog-nifty.com/blog/2016/08/post-0041.html)で紹介した「市長へのひとこと」で一関市当局にぶつけたところである。

 3月にひとり息子が小学校を卒業したが、仰せつかっていた学校のPTA会長と一関市PTA連合会の理事はそれぞれの定期総会が終わるまでは継続するものなので4月末の小学校PTA総会、5月初旬の市P連の年次総会をもって、晴れて退任させていただいた。各学校PTAごとに役員の選出方法は様々であろうし、進んで役員になろうという人は皆無に近く、卒業年次の保護者が渋々引き受けるケースも多かろうと思うが、我が子の卒業式で挨拶をすることはともかく、我が子のいなくなった学校の入学式での挨拶、さらには4月中旬以降になるPTA総会の運営まで関わらざる得なくなるPTA会長に、卒業年次の児童生徒の保護者がなることは回避できるよう、各学校の先生方にリードをお願いしたい。市P連の役員は年度ごと学校の輪番で、当該の各校PTA会長または副会長によって構成されるのだから、輪番に当たる年度では尚更配慮してあげていただきたい。
 PTAの役割は学校の教育活動への支援であろうと思っていた。不勉強だと言われるかもしれないが一介の保護者としてはそのようなものではないだろうか。だが実際にはそればかりでは無い。そしてそのほとんどが会長をはじめとするPTA役員に担われてしまう。それでもPTA連合会組織で市内・県内・東北六県・さらに全国の同じ立場の保護者さんたちとの交流があったり、学区の地域組織で年次総会的なものに招かれ拍手要員になる程度のことは想定の範囲内ではあった。私の想定外の最たるものは「教育振興運動」と「協働のまちづくり」である。現役のPTA会長・市P連理事である間は公に異議を唱えることは自重していたのだが、それらの任が無くなったので申し述べさせていただきたい。まずもって申し上げておくが、PTA活動も教育振興運動も協働のまちづくりも綺麗さっぱり忘れたいというのが偽らざる現在の心境である。
 関わる中で見聞きした範囲だが教育振興運動の理念なり功績には理解と敬意を表したい。しかしながら、現状は地域ごとに実践発表会や教育講演会を開催しPTA役員を中心とした保護者を係員と聴講に動員することが目的化してしまっている。教育振興運動の草創期には行政も学校も住民や保護者にレクチャーを繰り返し、必要性を訴えて、理解を得ながら展開してきた運動だったかもしれないが、現代の保護者世代には何らのレクチャーもされず、運動とは無関係な日常を過ごしながら、いきなり実践発表会等の聴講やその係員、あるいは「発表」を依頼されたりの「動員」によって、この運動と出会うのである。実践として発表される事例も日常の学校の教育活動やPTA活動そのものを「きょうしん」に当てはめて紹介しているようなものでしかない。総じて考え合わせると歴史的役割を終えている運動なのではないかと思う。岩手県として展開している運動なので一関市だけが終結することはできないのかもしれないけれども、動員で体裁を取り繕って実践発表会等を繰り返しているだけなのであれば、県全体としての終結や一関市が「卒業」することを検討・折衝していただきたいと思うが、いかがだろうか。
 協働のまちづくりについてもその理念や必要性には異議を唱えるものではない。問題にしたいのはその手法である。地域協働体の立ち上げ準備が市内各地域で始まったのは3年ほど前だったと思う。地域内各団体の代表者を招請してレクチャーやワークショップを繰り返してきたが、我々、公立幼保小中のPTA会長も招請されて円卓を囲んできた。「地域の行事に子育て世代が誰も参加しない」など、青壮年層の地域参画が大きな課題として語られ、体を小さくさせられてきた。協働のまちづくりの取組として新しい地域イベントが企画されればPTAにも係員動員と参加動員が課せられるが、それでは、各PTA会長に青壮年層への落とし込み・参画意識醸成と青壮年層の実動要員化が背負わされているようなもの。協働のまちづくりそのものは一関市当局も繰り返し広報活動などで市民に説明をしてきてはいるのだが、行政区長・民生児童委員など団体の代表として当初からレクチャーされてきた人たちにしか落とし込まれてはいないのが実情であろうし、そういう中で各学校PTAがレクチャーの機会を設けたり参画する機運には至っていない現状だと思う。どこのPTAでも役員のなり手は少なく会長は尚更であろう。渋々引き受けたPTA会長が地域協働体と保護者さんたちとの板挟みに遭うようでは、ますます、PTA会長を引き受ける人はいなくなるに違いない。「PTA会長さんはまち協の会議に出て関わりを持っていてくれるだけで良い」ぐらいにしていただきたいと切に願うがそうはいかないだろう。
 本格的に学校PTAを通して青壮年層に地域参画させるのなら、まず、まちづくり推進部と市教委が、各学校の先生方に落とし込みをして欲しい。新しいイベントなどが立ち上げられて、学校という組織として児童生徒や保護者、ひいては先生方が総動員されるのはノーサンキューなのが本音だろう。そのことは非難しないが、外交辞令として協力姿勢を見せるだけにとどまらないで欲しい。各学校のPTA活動はPTA会長が引っ張っているのでは無い。学校にリードされながら前例踏襲を繰り返しているのが実情で、それでさえ年々困難になりつつある。今のままでは学校・児童生徒・保護者が協働のまちづくりに関わらないための免罪符を得るためにPTA会長を生贄として地域協働体に差し出しているようなものだ。
 以前に、まちづくり推進部長や市民活動センター長と意見交換する機会があったが、異口同音に「あなたはPTAを代表してまち協に参加しているのだから学校でレクチャーして人を連れてこい」的なことを言われた。だったら、まちづくり推進部が各学校と事前調整して、2カ年程度、時限立法的に市職員をPTA会長にして、PTA内のレクチャーをさせるとともに、住まいを求めて越してきた私と違ってともに青少年期を過ごしてきた仲間も多いだろうから、そういう人脈を活かしてまちづくりに参画する機運を醸成して欲しい。そこにもまた先生方のお力添えは不可欠で、そのためにも先生方へのレクチャーや学校の外交辞令以上の協力姿勢は必要である。そして、PTA会長となった市職員さんは当然のことながら地域協働体の会合に参加し、地域の諸先輩方の生の声を聞いて、PTAの実情と併せてまちづくり推進部長と市民活動センター長にフィードバックしてほしい。
 いずれにしても、学校PTAだけでは青壮年層への落とし込み・参画意識醸成と青壮年層の実動要員化の3点セットは容易には進まないことと思う。高校を卒業して郷里を離れる若者だけでは無いし、大学などを卒業して帰郷する若者もいる。彼らの意識醸成と担い手化に成功している地域もある。室根地域だ。地域協働体の準備段階で「若者推薦会議」なる地域課題検討会が開かれ、彼らを中心にしたまちづくり協議会の別動部隊「室愉会」が生まれ、婚活イベントなど多彩な活動に繋がっている。意識醸成された若者たちが結婚して家庭を持ち子育てをしていく中でPTAに仲間入りしてもらった方が、PTA会長に青壮年層への落とし込み・参画意識醸成と青壮年層の実動要員化の3点セットを押し付けて地域との板挟みにして苦しめているより実効が早かろうと思う。これ以上PTA会長さんたちを苦しめないためにも、各地域協働体でおとり組みいただけるように、まちづくり推進部と市民活動センターにはリードをお願いしたい。
 最後に市P連総会に来賓としておいでいただいた勝部一関市長の挨拶に協働のまちづくりへの言及が無かったことを申し添えたい。PTAの集まりなので教育関係の施策を紹介する機会になさりたかったのだろうが、ほとんどのPTA会長が地域協働体やその準備会合に招請され名ばかり役員にさせられて(私は抵抗勢力化したが)いるなど、実効は伴っていなくても協働のまちづくりの一翼を担っているのであるから、期待感なり、応援の言葉なりが有ってしかるべきではないだろうか。それともPTA会長さんたちは「まち協の会議に出て関わりを持っていてくれる」だけでお許しいただけるんでしょうか、勝部市長。


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