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2018年8月20日 (月)

岩手県版部活動ガイドラインの学校外活動への配慮は全員加入制撤廃で!

岩手県教委が6月に策定した岩手県版部活動ガイドラインでは「学校外のスポーツ活動や文化的活動に取り組む生徒に配慮した取組」を推進するよう示されているが、この文言だけでは「父母会練習や中学生スポ少を含めて練習時間を制限し休養日を拡大するのだから、学校外の活動に取り組む時間が提供される。」として今まで通り全員加入制を頑なに維持する学校がほとんどだろうと思うが、それで良いのだろうか。
 以前から盛岡周辺では硬式テニスやクラブチームサッカー、ボーイズリーグ・リトルシニアの硬式野球、そしてボルダリングなど学校外の団体に所属している生徒たちに籍を置かせるためだけの部:校外活動部を創設して、部活動を事実上免除している学校が複数有る。また、県央部に限らずそういった生徒を特例的に部活動免除している学校も若干有る。聞いた範囲では1校だけだが今年の新入生から任意加入に踏み切った学校も有る。いずれも広くは知られていない。教育関係者のなかにこういったことをひた隠しにしておきたい人々が多くいて、箝口令が敷かれているかのようである。
 昨年、部活動指導員を制度化する際に文科省がパブリックコメントを実施したところ「生徒に対して,入部する,入部しないの選択を自主的にさせる権利を保障すべきである。」という意見が多数寄せられ、これに対する文科省の見解として「部活動は,学校教育の一環ではありますが,生徒の自主的,自発的な参加により行われるものです。」と公表している。文科省としては「以前から入部しない選択も可になるようにしている」ということだろう。
 今年6月には、スポーツ庁がホームページに掲載した「運動部活動の在り方に関する総合的なガイドライン FAQ」で
Q8 部活動は生徒全員が参加しないといけないのですか。
 中学校、高等学校の学習指導要領の総則においては、部活動は、「生徒の自主的、自発的な参加により行われる」とあるように、同好の生徒の自主的・自発的な参加により行われるものです。
 こうした学習指導要領の趣旨を踏まえ、各学校においては、生徒の自主性を尊重し、部活動への参加を強いることがないよう、留意しなければなりません…と、紹介している。部活動への参加強制:全員加入制は学習指導要領違反でもあるということではないのか?
 学習指導要領に抵触する全員加入制という運用を撤廃することが「学校外のスポーツ活動や文化的活動に取り組む生徒に配慮した取組」の一択であろうことは言うまでもないだろう。岩手県内各市町村立中学校は判で押したように(県教委とは別の意思決定機関・指示命令系統がやらせたことだろう…)生徒会則で部活動全員加入が規程化されている。現在、各市町村版のガイドラインを検討している段階だと思われるが、この「学校外のスポーツ活動や文化的活動に取り組む生徒に配慮した取組」については文科省やスポ庁の見解を踏まえて各学校へ生徒会則改定を善導して全員加入制を撤廃させることによって実現するように求めるものとしていただきたい。市町村教育委員会は学校自治・生徒会自治を隠れ蓑にして某意思決定機関・指示命令系統が先導してきた全員加入制を追認・是認するばかりでなく、市民からの疑問や要望だけでなく市町村議会議員からの質疑をもかわしてきている。岩手県の学校部活動を半世紀以上もミスリードしてきた某意思決定機関・指示命令系統の方々にも同様の対応をお願いしたい、何世代も前の大先輩たちが決めたこととはいえ組織としてはあなた方にも責任の一端が有るだろう。あなた方が組織として同様に舵を切る意思決定をし指示命令しなければ市町村教委と各学校が全員加入制撤廃・加入強制性排除に舵を切れないのだ。
 最後に邪道な提案…
 岩手県版ガイドラインが発表された6月、報道したのは岩手日報だけだったし、父母会練習・中学生スポ少にまで練習時間制限・休養日拡大の網が掛かっているとは報じられなかった。今まで父母会練習や中学生スポ少をリードしてきた保護者の方、地域指導者の方だけでなく先生方でさえ、ガイドラインで部活動本体の練習時間が制限され休養日が拡大しても父母会練習・中学生スポ少で平日の夕方や夜間そして土日に今までどおり練習できるだろうと思われてきただろうが、そろそろガイドラインの全貌が知れ渡り始めどうすれば今までどおり練習して常勝軍団〇〇中〇〇部を維持しようかとお悩みの方もおられるかもしれない。ガイドラインに示された「学校外のスポーツ活動や文化的活動に取り組む生徒に配慮した取組」を逆手に取る方法は有るような気もする。
 部活動を補完する活動だから手かせ足かせはめられて平日2時間・土日3時間で平日1日と土日どちらかを休みにさせられるより、学校に全員加入制撤廃・加入強制性排除に舵を切らせ、学校から独立したスポーツ団体になさって生徒さんたちを学校の部活動から退部させてはどうでしょう?学校外の活動に参加する生徒に配慮するように県教委からも市町村教委からも学校は命じられるのだから許容せざるえないはず。そんなことをしたら中総体にも新人戦にも選抜大会にも春季大会にも出られなくなるって心配するでしょうけど、その競技の部が学校から無くなれば「特設〇〇部」で出場できますよ。合唱コンクールだって陸上大会だって駅伝大会だってそうやって全員掛持型で出場してる学校が多いんだし、スイミングとか体操クラブを続けている生徒たちが特設水泳部・特設体操部で中総体に出て県大会どころか東北大会や全国大会に駒を進めているじゃないですか。それに学校から独立すれば近隣校の生徒を引っ張ってきたり、事実上、近隣校との合同チーム化もやりやすいでしょう。
 学校の部活をやっていないと受験で内申点が…という心配も要りませんよ。少なくとも岩手県の場合、一般入試では部活を3年間やってたかどうかだけでなく大会成績だって内申加点はされない、推薦入試は大会成績が物を言うはず、私立のスポ推薦・スポ特待は尚更でしょ。

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2018年8月 7日 (火)

開催リポート:第4回部活動のあり方を考え語り合う研究集会in岩手

このブログでも複数回お知らせしていた「部活動のあり方を考え語り合う研究集会in岩手」が8月5日(日)に予定通り開催され、私もスタッフ的な役割をしながら参加してきた。日本部活動学会長でもある学習院大学文学部教育学科長沼豊教授が学会立ち上げ以前から継続的に開催してきた研究集会の開催地を岩手県に選んだものである。
 当初は東北地方の部活事情を先生方から発表していただいて、長沼教授を交えたパネルディスカッションをしようと考えていたが、お話しいただける現役の先生というのが見つけられず、開催まで一ヶ月を切った7月も半ばというタイミングで飛びついたのが岩手県体協の平藤理事長だった。
 5月のことだが、岩手教育会館がリプレイスされて名古屋大内田良准教授の講演会がこけら落としで開催された。その時の模様をまとめているプログを見つけ、フェイスブックなどで、ご経歴やお考えの一端を拝見してのことだった。岩手県版部活動ガイドラインの策定メンバーでもあられた。藁にも縋る思いで2ヶ月も前のブログ記事にコメントをお書きし、メールで面会のアポイントを取り、パネラーとしてご参加いただけるようにお願いしてご快諾をいただいた。
 その頃、参加申込も芳しくなく、このままでは20名にも満たないオフ会みたいな研究集会、しかも遠来の方ばかりになる懸念さえあったが、平藤理事長ご自身もツイッターやフェィスブックで何度か発信していただいたことが大きな周知に繋がったらしく、40名規模でおよそ半数は岩手県内の先生方をはじめとする教育関係の方々という、総人数は淋しいものがあるが人員構成としては理想的な研究集会になったと思われる。
 平藤理事長からは岩手県版ガイドラインの解説と審議過程の一端をお話しいただいた。全体の内容については平藤理事長自身のブログをご参照いただきたい。当該策定会議は傍聴無し・議事録非公開だったということで、審議過程については限定的な内容ではあったが、闇めいた岩手県の部活動の端緒も話された。やはりそうなのかと思ったのは岩手県のほとんどの高校で生徒会則によって部活動に全生徒が加入しなければならないと規程化されていることだ。コレは中学校も同様なのである。模倣で広まった可能性もあるが、県下全校である。必ずしも県教委だとは言わないが、なにがしかの組織が意図的にひな形を示したと思わざる得ない。また、ガイドラインの検討過程で一時期、「校外活動部の活用」や「部活動未加入の許容」が一度盛り込まれたものの席上の議論では無いところで抹消されて「 学校外のスポーツ活動や文化的活動に取り組む生徒に配慮した取組を推進する」と謳うに止まってしまった模様だ。
 コレはあくまでも私の憶測だが事務当局にねじ込んで消させた人たちがいたんだろう。盛岡周辺では硬式テニスやクラブチームサッカー、ボーイズリーグ・リトルシニアの硬式野球、そしてボルダリングなど学校外の団体に所属している生徒たちに籍を置かせるためだけの部:校外活動部を創設して、部活動を事実上免除している学校が複数有るのだが県内全域には広がらないでいる。まるで県央部以外にはひた隠しにしておきたいかのようだ。また、県央部に限らずそういった生徒を特例的に部活動免除している学校は若干有るようだが、広くは知られていない。そして耳にしたのは1校だけだが今年の新入生から任意加入に踏み切った学校も有る。こういう状況で校外活動部を含めた特例免除や任意加入をガイドラインで打ち出せば、同様の対応を求める生徒や保護者が雨後の竹の子のように現れることは容易に想像される。全員加入を守りたい一派がいるんだろう。恐らく、生徒会則で全員加入化するひな形を示した系統の人々だ。「 学校外のスポーツ活動や文化的活動に取り組む生徒に配慮した取組を推進する」だけでは「部活動はその補完をする活動まで網をかけて練習時間抑制と休養日拡大をするから両立する余地は提供した」で止まってしまう市町村や学校がほとんどになるだろうと思う。先日のブログでも紹介したが敢えて再度紹介する。スポ庁のホームページに部活動ガイドラインのFAQが掲載されている。そのQ8「部活動は生徒全員が参加しないといけないのですか」そしてそのAnswer「各学校においては、生徒の自主性を尊重し、部活動への参加を強いることがないよう、留意しなければなりません。」スポ庁の公式見解であり、文科省・スポ庁の統一見解であろう。コレに則って生徒会を善導して会則改定(一応、お立場もあるだろうから…)で全員加入制を撤廃することてでこそ「 学校外のスポーツ活動や文化的活動に取り組む生徒に配慮」を実現するべきだと思うがいかがだろうか。
 なお、研究集会に参加された県内中学教員の方で、練習時間抑制と休養日拡大が岩手県版ガイドラインでは部活動を補完する活動(部活動に連動して加入させられる社会体育的なもの、詳しくは後述)まで含まれることをこの平藤理事長の話を聞くまで知らなかったという先生がおられたことを申し添えたい。このブログでも何度か触れたが、この件でのローカル報道は地元紙で部活が週休二日化され平日2時間・休日3時間に抑制されると報じられただけであり、詳細内容は岩手県ホームページを見なければわからない状況であったし、市町村版ガイドラインが策定されてからしか各学校では落とし込まない模様なのだ。各学校で落とし込みが始まったら職員室でも保護者間でも外部指導者・スポ少指導員からも後述する体協から派遣される指導員からも「こんな馬鹿なことがあるか!」と大騒ぎになること必至なのである。せめてスポ少指導員・体協指導員には体育協会ラインで事前にレクチャーしていただいて主旨・目的を理解浸透させてこの岩手県版ガイドラインに則った対応をリードさせていたたきたいところだ。間違っても21年前の旧ガイドラインの時のようなスリ抜け策を生徒や保護者、まして先生方にけしかけるようなことは自重させていただきたい。
 岩手県内の中学校教員菊池武彦先生からは部活動を補完する活動が2重3重の構造になっていることなどが話された。岩手県内のほとんどの中学で運動部と一部の吹奏楽部に「父母会練習」という延長練習スキームが有り、スポーツ少年団登録をしている事例も少なくないというのが私の認識だった。県版ガイドラインで練習時間抑制と休養日拡大に父母会練習とスポーツ少年団活動を含めるとされたことは評価していたのだが、菊池先生の学校では父母会スポ少による延長練習に引き続いて同じ競技の大人の団体が練習していてそこに中学生も参加しているというのだ。体育協会から指導者が来ているからか「協会練習」と呼称されているという。聞くところによると彼の学校ばかりでなく同様のスキームが複数の学校に実在しているそうだ。毎日では無いとしても中学生が放課後から継続して夜9時まで練習をしているのは異様であり、異常だろう。学校としても、顧問の先生も生徒に強いてはいないというが、部員間や保護者間で同調圧力が働くものだろうし、指導員であれば参加を求めるものだろうと思う。この協会練習というスキームはガイドライン策定会議メンバーで共有されて「補完する活動」として想定されたものだったのか?このスキームが有る学校やその市町村教委と市町村体協がガイドラインでは明文化されていないからと温存・放置してしまう可能性はないのだろうか?大きな危惧を感じている。なお、菊池先生は部員間トラブルが中学生活全般に与える影響を大変危惧されていた。全員加入制で有る以上、退部して未加入になることは容認されない。全員加入制であることの負の側面が大きくなっているというのだ。県版ガイドライン策定会議で「未加入容認化」が議論されることなく葬られてしまったのは罪深いことだと思う。
 宮城県の高校教員キャプテンネモ先生からは先生方の過酷な時間外労働・部活の大会での事務局負担、中学部活の実績が高校入試に影響する制度の問題、高体連・高文連の年間負担金が全生徒から徴収されていることが生徒を部活に加入させる理由付けになっていることなどをお話いただいた。全てがナニカガオカシイことばかり。体連・文連の負担金や各部の活動経費をPTA会費や生徒会費、さらには特別会計的なものが創設されたりしていて保護者から一律徴収した原資で賄うことは一定程度は仕方がないかもしれない。だが、だからといって全生徒に部活動を強制することは本末転倒な考えだと思う。大会運営を含めて実務をただでさえ多忙な現場の先生に頼り、中高生の家庭に経済的負担を強いることが前提の体連・文連のあり方も変わらなければならないのではないだろうかとも改めて感じた。個人的意見だが中総体・高総体と各々の新人大会はスポ庁・都道府県教委ラインの主催・運営に切り替えて、先生方の実働負担に頼らない開催方法に改めるべきだと思われる。
 参加者が40名弱であったことからパネルディスカッションではなく参加者を交えたグループ討議で意見交換となった。その中で東京からおいでになったお若い女教師の方が部活動で困憊していて仕事だけでなく日常生活がおぼつかなくなっている、洗濯すらできないと涙ながらに切々と語ってらしたのが切なかった。この先生を救うためにも、ガイドラインの時間抑制・休養日拡大を実効有るものにして生徒も先生もハッキリ言って保護者も部活漬けの生活から脱皮させること、部活動指導員の拡充や部活動の地域移行をすすめていくこと、望まない生徒と先生は部活的なものから解放することだろうと切実に思われた。
 終了後の懇親会を含めて、参加者の方々と語らいたかったところだが、スタッフ的な立場だと思うに任せなかったのが正直なところでもある。希望を感じた反面、新たなナゾが浮かび上がってしまった感、闇が深まった感も大きい。深掘りは進めるが、未来志向で改善を各方面に働きかけていきたいものである。
 私見ばかりになってしまったが、ひとまずのまとめとさせていただきたい。

https://senseiportal.com/events/46516
(SENSEI PORTALからもお読みいただけます、参考まで)

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