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2019年2月23日 (土)

全員加入制は維持し父母会スポ少を放任したい一関市教育長の議会答弁

2月22日、岩手県一関市議会で部活動ガイドラインへの対応に関してお二人の市議がご質問されていた。教育長の答弁にはいくつかの誤認識や文科省・県教委の意向に敢えて沿おうとしない姿勢などが見られ、議員さんたちに誤解を与えたのではないかとも思われた。何点か解き述べたい。
 まず、一関市でのガイドライン対応についての答弁。昨年12月初旬に地域紙岩手日日やケーブルテレビで報じられたとおり、部活動は平日2時間・休日3時間まで、毎週日曜日と平日1日は休養日とする、父母会練習・育成会活動には同様となるように要請する、スポ少には午後8時以降までやらないように協力を求める、と答弁された。以前にも本ブログで取り上げたが、これで分かりますか?学校の部活動としては毎週日曜日と毎週平日1日は休むし土曜日と祝日は3時間、平日は2時間までしかやらないのだろうが、父母会練習・育成会活動も毎週日曜日は休んでくださいだとしても、平日の休養日は本体の部活と別の曜日にしても良く、部活とは別に土曜祝日は3時間、平日は2時間練習できるということにはならないだろうか。そしてその父母会練習や育成会活動の組織がスポーツ少年団登録しているなら午後8時までだったら何時間やっても良いことにならないだろうか。ちなみに岩手県の方針は父母会練習・育成会活動・スポーツ少年団までコミコミで毎週土日どちらか1日を含めた週2休、平日2時間・休日3時間の練習時間制限である。一関市は週末の休養日を日曜日に固定したうえで同内容にしたつもりかもしれないが、そうだとしても誤解を生む論調なのである。
 保護者への周知についての質問に対しては各学校で周知したと答弁されたが、たしかにいただきましたよ、A4のプリント一枚、日日新聞やケーブルテレビのニュースと全く同じ内容の。でも、それだけで周知したと言えるのだろうか。1、2年生や入学予定の小学6年生たちにはもっと踏み込んだ説明をしているのかもしれないが、中3の我が家にはそれだけ。父母会・育成会・スポ少をリードしている方々が報道や周知プリントの内容を都合良く解釈していたら、毎週日曜休みにはなっても㈪~㈯の練習は強化されはしないだろうか。混乱を招きかねないと危惧している。
 部活強制校の割合も質問された。この市議さんは昨年12月に内田良名古屋大大学院准教授の講演を聴講されて部活動を強制する中学が他県では少ないのに岩手県だけ(実際には仙台市以外の宮城県や青森・山形・福島・新潟・埼玉・山梨・鳥取などもだが…)がほとんど全ての中学で強制していることを知り、質問したのであるが、教育長は中学生の部活動加入率を用いて説明し岩手県が殊更高いわけではないと言っていた。部活動加入率は全国平均9割なので岩手県が10割近いとは言っても然程の違いでは無いと言いたげであった。ちなみに最近では平成29年度に全国調査があり、強制校の割合は3割だった。岩手県の異常性を物語る数値である。教育長は意図的に生徒の加入率データにすり替えて説明し現状を肯定したかったのかもしれない。また、部活動と学校の清掃を同列にして部活動強制加入を肯定的に説明されたのには失笑。どちらも教育的意義が無いとは言わないが異質なものではないのか。児童生徒が清掃することについても以前から異論が言われている。海外で生徒に清掃させている先進国は無いようだし、ILC誘致に向けてコレも検討課題になる気もする。部活の強制は尚更だが。
 練習時間が岩手県は全国平均に比べて16分少なく、短い方なのだという答弁も有ったが、合わせて質問された岩手県での中学生の学習成績低下原因について部活の影響ではないと強弁したかったのだろう。部活の全員加入制と父母会・育成会・スポ少による無休日長時間練習が要因だろうという指摘は以前から散見・散聞されている。教育長はそこに話題が及ばないように予防線を張ろうとしたのだろう。あの時間数には父母会・育成会・スポ少などによる部活の延長練習、夜間練習、休日練習は含んでいない数値だ。岩手県で横行したガイドライン逃れの手法(父母会練習・育成会活動・スポーツ少年団のことです!)も教育長の答弁もトリック以外の何ものでも無かろう。
 教育長は校外でスポーツ活動をしている生徒まで部活動を強制していることについては検討したいとも答弁していたが、それは県方針で「校外のスポーツ・文化活動に取り組む生徒に配慮する取組を推進する」と打ち出されているのに市の方針ではスルーしてしまったので取り繕っているだけに思われた。一関市でトップアスリート育成事業と称し、助成金支給している中学生たちは水泳・フェンシング・競技スキーのプレイヤーだ、異種競技にも取り組んだり文化関係の教養や技量を高めることも望んで学校の部活に参加しているのかもしれないが、彼女たち自身や保護者・指導者・競技団体のホンネはどうなのだ。週末が練習や競技活動の中心ではあろうが平日は身体を休めつつ学習に取り組むことも許容すべきではないのか。小学生の間に水泳・フェンシング・競技スキー・武道等で実績を納め、将来を期待されているアスリートたちが今年も各中学校に入学してくるだろう。在校生を含めて何らかの形で事実上であっても部活動加入を免除する対応を30年度中に準備しておくことが必要ではないのか。盛岡周辺の中学校のように校外活動部って彼らに籍を置かせるためだけの部を創設するのであれば容易だろうし。
 ちなみに年末には文化部のガイドラインが発出されており、その中では強制加入の禁止が盛り込まれている。通知通達の類いでは無いものの運動部ガイドラインFAQというスポーツ庁ホームページが昨年6月にUPされていてその中でも部活動は強制できないものであると説明されている。これらを受けて岩手県教委は2月から岩手県方針の再検討に着手していて5月を目途に強制加入の撤廃を盛り込んだ県方針に改定される予定となっている。こういう動きを教育長はご存じないのだろうか。それとも、正式な決定となるまではとらわれずに現状を是認して遅れ加減のガイドライン対応に終始させながら31年度新入生までは全員加入制を続けて県方針が改定されても3年引退期までの活動参加を強制し続けようというのか。生徒会則に全員加入の規程が有ることを再三述べられてもいたが、それは一関市の特殊事情では無い、岩手県内の市町村立中高、岩手県立高、同附属中の全てがそうなっているのだ。生徒会自治や学校自治が有ることにはご理解申し上げるが、教育委員会や学校が強制できない筋合いの「生徒が自主的自発的に参加する部活動(学習指導要領からコピペ)」を強制するために岩手県教委とは別の意思決定機関・指示命令系統によって生徒の自主的主体的総意であるかのように生徒会則に盛り込ませたものではないのか。県教委はそれを翻そうとしているのだ。早晩、対応を迫られることと思う。文化部ガイドラインを受けて県方針改定を待たずに先行して31年度新入生に部活加入を強いず在校生の中途退部も容認することが賢明だと思われるが、いかがか。
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