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2019年12月24日 (火)

いつになったら生徒も先生も部活のコマにするのをやめるんだい? 岩手県一関市小菅教育長!

以前に紹介した8月30日の一関市議会教育長答弁、市役所ホームページに議事録が掲載されていたので、改めて紹介したい。市議から質問された市内中学校全校が部活動全員加入制(強制全員加入)であることについての答弁である。

部活動を仮に希望制にした場合、将来的にどういうふうになっていくかというのは、非常に私は危惧しております。多分希望制にすれば、最初は大概の子供は参加するかもしれません。でも、そのうちに多分子供の数は減るでしょう。子供の数が減れば部活動の数は絶対減らすしかないのです。
今、そうではなくても一関市の子供たちの数は減っている中で、これをそういう形でするということには弊害が非常に大きいのではないかなというふうに思います。さらに、教育課程外ですから、顧問の先生も、何もそれをやらなくてもいいのです。それをみんなでやろうということで学校と決めてやっているわけです。それを今度は先生の中から、そんなのやる必要ない、という意見は当然出てきます。そういうことをやると二重に部活動の数は減って、最終的に子供の選択権を狭めることにつながるのではないかなというふうに思います。ですから、例えば岩手県のような過疎が多いところ、そして地域のスポーツ、いわゆる学校外のスポーツ団体が少ないところでは、これを希望制にしていいというのについては、私は非常に疑問があると。今の状態でやはり進めるべきであるし、最終的な権限は学校長がやるべきであろうと。本市の場合にも、実際には、希望制にしているところはあります。ですから、それは校長の権限として、状況を見ながら判断していくべきであろうと捉えております。

後段で「校長権限で学校が部活動の全員加入制をやめる判断をすることは許容している」とは言ってるようだけど…

①生徒数が減りつつある状況で任意加入制に転換して部活動に入部しない生徒たちが増えていけば部活動数を減らすことに拍車をかけてしまう
②生徒も先生もみんなで部活をやろうとなっているから先生方の顧問をやりたくないという声は抑えられているのだから入部しない生徒が出てくれば顧問を断る先生も出てくる
①と②とで二重に部活動の数を減らしてしまい生徒の選択権を狭めることになるので部活動は全員加入制のままにしておくべきである

いつものことだが、生徒も先生も部活のコマにしておけ論でしかない。

岩手県版部活動ガイドラインが改定されたのは8月とはいえ市町村教委に通知されたのも県ホームページに掲載されたのも9月になってからのことであり答弁をされた8月30日には改定内容をご存じなかったのかもしれないが、昨年6月にスポーツ庁ホームページに掲載された運動部ガイドラインFAQ及び昨年末に文化庁が制定した文化部ガイドラインで「部活動への参加を強いることのないよう、留意すること」と盛り込まれたことを受けて岩手県が全員加入制撤廃に舵を切ることは想定されていたはずで、ここまで持論を展開されたのは理解しがたい。

運動部ガイドラインや岩手県版部活動ガイドラインの制定を受けて一関市版部活動ガイドラインを発表したのは昨年12月の初旬であったが、岩手県版部活動ガイドラインの改定を受けた一関市版部活動ガイドラインの改定は発表されていない。県内他市町村の動向を待っているのかもしれないが、まさか、岩手県版部活動ガイドラインの改定で盛り込まれた「参加を義務づけたり活動を強制することのないよう留意すること」を「義務づけられないのは『参加』で強制できないのは『活動』であるから、日々の練習への参加を義務づけず活動の一環である大会出場を強制しなければ、生徒全員に入部させ続けることは差し支えない」とでも解釈し一関市版ガイドラインを改定することなく新年度を迎えようとでもしているんじゃないんでしょうねぇ。

小菅教育長は任意加入制にしたら部活動に入部しない生徒が大量発生して休廃部を余儀なくされる部が続出することを危惧されているが、少なくとも各運動部や吹奏楽部などは大きい影響は受けないことと思う。おそらく、生徒数減で想定される範囲だろう。実ニーズの無い生徒を抱えるために存在しているようないくつかの文化部は消滅するだろうが。小規模校の生徒でも一般的なスポーツや吹奏楽と合唱ぐらいには通年の部活動として選択できるように部活組成単位自体の複数校合同化や拠点校方式・地域部活方式の導入を提言してきたが、ひとまず、任意加入化だけはして、部活動への実ニーズを見きわめてはいかがか。その上で合同部活化・拠点校方式化・地域部活化を1~2年かけて模索していただければ良いのではないかと思うところである。

従来の県版ガイドラインに有った「学校外のスポーツ・文化活動に取り組む生徒へ配慮する取組」すらやっていなかったではないか。他市のような「校外活動部」を設置した学校は一つも無く、学校外の硬式野球チームを続けようとして総合文化部に入部しようとした生徒に運動部への入部を強いた学校が有って、岩手日日の電子版でだけでなくYahoo!ニュースとLINEニュースにまでなったではないか!学区の中学に野球部が無くなったから虚偽転居してまで越境入学した生徒がいたり、当市だけではないが闇部活スポクラが横行しているなど、改善すべきことが叩けばホコリが出てくる一関市のままで良いのか?生徒を部活のコマに総動員して部活を維持することよりも生徒個々人の中学生活を大事にすべきだろう。

百歩譲って新年度からで良い、新入生・転入生問わず部活動入部の強制をやめ在校生についても退部未加入を容認すること、そして野放し常態の闇部活スポクラをヤメさせることは求めたい。休養日を日曜日に固定した狙いについては理解申し上げるがそのことが外部指導者や保護者の一部から反発を招き闇部活スポクラが蔓延したことも否めまい。日曜日に固定せず土日どちらかは部活も父母会・スポ少もやらせないこととすれば反発も緩和されよう。それでもなお土日両日に練習させたいというのならば全員加入制でなくなるのだから希望する生徒は退部させて部活をさせず純粋なスポ少やスポーツクラブに転換して存分にやっていただければ良いだろう。

待ってますゼ、小菅教育長!

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2019年12月21日 (土)

宮城県涌谷中学校だけではない!生徒に「部活動をやらない」という選択肢は無いのか?

リンク先は朝日新聞首都圏版夕刊等での先行掲載だが当該校のある宮城県でも12月18日朝刊に掲載されたものだ。生徒全員強制部活動入部となっている宮城県涌谷中学校で一人の生徒が退部できないことに疑問を抱き、文科省学習指導要領やスポーツ庁が制定した運動部ガイドライン・文化庁が制定した文化部ガイドラインを調べたうえで入部の任意化を求める活動をしていることが報じられている。

部活動をやらないという選択肢を!

学校は彼が提出した要望書を内容を再考したうえで再提出することを求めるなど、一定の理解を示してくれているのかも知れない。だが、部活全員加入は仙台市を除く宮城県全体で非公式な「県是」となっているものだ。涌谷中学校でも全員加入を維持しようとする先生がおられるだろうし、近隣校間、隣接市町村間で前提となっているものから逸脱する行為にはなかなか踏み切れないことだと思われる。

当時宮城教育大学准教授だった現神戸教育大学教授神谷拓先生が提唱する部活動の自治性を高める神谷メソッドを実践している同県塩竃市の某中学校長と昨年12月、日本部活動学会の研究大会で同席した際に神谷メソッドで部活動での教育的価値を高めているのだから生徒全員にやらせなければならないと力説されたことがある。私が任意加入論者だと自己紹介したからなのだが…。全員強制入部を前提とした考え方に立脚していればそのように思考されるものなのだろう。

だが、スポーツ庁・文化庁が制定した両ガイドラインはもとより、文科省学習指導要領学習指導要領総則の文言「生徒が自主的自発的に参加する部活動」から文科省としては従前から部活動は入部しない選択ができるようになっているものと認識されているものなのだ。それなのに少なからぬ学校、市町村、広域市町村圏などで「部活動は全員強制」が有形無形のルールになっていて、様々な問題を派生させているのだ。

全国紙とはいえ多くの宮城県民が記事を目にしたことだろうし、官公庁では複数の朝刊を購読しているのであろうから宮城県庁でも県内各市町村でも記事を認知したことだろう。涌谷中・涌谷町だけの問題では無くなったのである。部活動全員加入がローカルルールであることは然るべき立場にある方々はご存知だと思う。この報道が宮城県頁のローカル記事ではなく東京版夕刊等で先行掲載されていて他道府県でも順次掲載されていくことに危機感を覚えていただきたい。部活動全員加入が「少なからぬ」地域で残っているとはいったが「少数派」であり「異端」ではあるのだ。奇異な取り扱いなのである。県教委のリードで県校長会・県中体連・宮教組が宮城県全域の公立中学校全校で任意加入に転換させることを申し合わせ各々のラインで落とし込むことが学校現場での反発を抑制し涌谷町・涌谷中の背中を押すことになるはずだ。村井宮城県知事がどう考えかはわからないが市町村の首長さんたち、県議さん、市町村議さんたちには積極的に動いていただきたいところである。他県の学校も「対岸の火事」ではなく「他山の石」であることは言うまでもない、強制全員入部が早期に解消されることを願ってやまない。

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2019年12月13日 (金)

岩手県中体連高体連合同研究大会を聴講したが、全員加入制はどうするおつもりか?

12月上旬、6日(金)は岩手県中体連高体連合同研究大会を盛岡で、8日(日)は日本部活動学会研究集会を東京で、それぞれ聴講してきた。一介の保護者とはいえ部活動学会員ではあるので学会の研究集会に参加するのは何も躊躇することは無いのだけれども、中体連や高体連の内部集会的なものを何故聴講できたのか、経緯は触れておきたい。

例年この時季に岩手県の中体連と高体連がスポーツ界の著名人を講演に招いて合同研究大会を開催している。今年の講演は内田良名古屋大准教授という奇異な人選。内田良准教授の講演は毎年複数回聞いてきており耳タコなんであるが、彼にとっては完全アウェイな講演会だろうから見えるところにいてあげようという思いと両体連が彼を招くほどの方針大転換でもあるのかという興味からツテをたどって高体連事務局に聴講を願い出てお許しいただたものである。「一般の方もどうぞ」ではあったけど、岩手中高部活に悪態ついてる張本人とは明かさなかったが…

研究大会全体は午前中から始まるものだったが内田准教授の講演は日程終盤であったので昼過ぎから聴講、厨川中陸上部顧問の先生が柔道部から大柄な生徒を引き抜いて砲丸投げで全国大会に出場させた武勇伝(人間力を向上させないと競技力だけでは勝ち上がれないとも言ってたけど…)を聞かされて、岩手県版部活ガイドラインの改定は内田准教授の講演で紹介されたが、お聞きになっていた先生方はどう受け止められただろうか。

質問コーナーでお二方が質問に立たれ、うちお一人は今まで抱いていた内田良准教授のイメージが変わって部活にしても組体操にしても改善が必要だという認識になられた様子だった。そのように感じられた先生が少なくないだろうとは思う。もうお一方は生徒数が激減しているのにガイドライン改定で全員加入制の撤廃を求められるのは困るというお話をされ内田准教授に見解を求められた。部活加入は本来任意なのだから任意化で入部する生徒が減るなら合同部活動などでやりたい生徒ができるやり方を模索するしかないとおっしゃられていたが、個々の先生方の工夫というよりも両体連・両校長会がイニシアチブをとってとりくまれるべきことだろう。県版ガイドライン改定を検討した会議に出席していた両体連会長がおられたのに何らコメントされなかったのは混迷を深めるのではないかとも思う。

ガイドラインが改定されて学校現場で具体的に対処されるのは先生方でもある。ご自分たちがどう振る舞うべきなのかを知るために参加された先生も少なくないだろうと思われるがそれに対するアンサーは無かった模様だ。学校方針や市町村方針を改定する落としどころを校長先生や各市町村教育長が互いに腹を探り合いながら模索している真っ最中だろうから両校長会と両体連は方向性を匂わすだけにとどめているのかも知れないが、高野連・高文連・中文連・高教組・岩教組などと話をつけて市町村や学校も県版と同様にガイドラインを改定して全員加入制の撤廃に舵をきるよう意向表明されることが唯一の混迷回避策だと思う。全員加入制が撤廃されて俺の息子の〇〇部が廃部になった、どうしてくれるんだ!って大騒ぎする顔が広くて声が大きい親が現れるだろうが、それが嫌なら内田良准教授が言うように合同部活動を組んでどんな小規模校の生徒であろうと希望する部活に参加できる態勢を準備すべきだ。

改定前の県版ガイドラインに「校外のスポーツ文化活動に取り組む生徒に配慮する取組の推進」とも盛り込まれていて、全員加入制を撤廃したり、全員加入制を維持しながらもそういう生徒たちに籍を置かせるためだけの「校外活動部」を設置して対処した中学は数校にとどまっているのだが、その中にガイドライン策定会議のメンバーだった中学校長会長校や中体連会長校の名前は無い。どちらも県都盛岡市内の中学である。まずは自らの学校で先行実施し範を示すなり、盛岡市版ガイドラインの議論の中で市内中学校が最低でも校外活動部を設置するようにイニシアチブを発揮されるべきだっただろう。今般改定で全員加入制撤廃が求められていることは言うまでもない。同じ轍を踏むことのないよう切に望む。

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2019年12月 4日 (水)

内田先生を講演に招く高体連・中体連はどう考えているの?岩手県版部活動ガイドラインの改定

「遵守か説明を/ガイドラインや方針のすすめ方」

 リンク先は岩手県体協平藤理事長のブログを紹介した私のフェイスブック記事だ。こちらもご参照いただきたい。

今週金曜日(12月6日)、岩手県高体連中体連合同研究大会というものが開催される。例年この時期にスポーツ界・教育界の著名人を招いて講演いただいているようだ。今回の講演はなななんとブラック部活動などの著書がある内田良名古屋大大学院准教授であるという。教職員労組や学校管理職団体が講演に招くことが多い先生だが地方組織とは言え部活動の本丸とも言える中学・高校の体育連盟が招くのは珍しいのではないだろうか。

運動部ガイドラインの制定を受けて岩手県でも県教委・市町村教委・各中学高校においても部活動方針なるものを策定して本年度から本格運用されており、さらに文化部ガイドラインの内容を網羅するために8月には県方針が改定されて各市町荘・各学校に対処を求めている渦中である。

岩手県版部活動ガイドラインに運動部ガイドラインFAQや文化部ガイドラインと同様の文言「参加を義務付けたり、活動を強制したりしないよう、留意すること」が盛り込まれた改定内容は、若干の学校で先生方に周知されはじめてはいるものの、何の周知もされていない学校が圧倒的多数である模様で、周知された学校でも「教育事務所からの通知があり、来年度から部活動の入部を希望制にする」ならまだマシなほうで「中体連からの通知があり、土日の部活動は強制するな」という何とも中途半端な内容だったりするようだ。

まさかとは思うが、中体連・高体連のトップとなられている校長先生をはじめ、この研究大会にお集りになるような先生方は、義務付けられなくなったのは「参加」であり強制できなくなったのは「活動」であるのだから、必ずしも全ての練習への参加を義務付けずに練習以外の活動も強制しなければ、今までどおり今後の新入生にも学校で開設している何れかの部に必ず入部させ3年引退期まで転部はともかく未加入になる退部はさせなくとも良いだろうなどとお考えで内田准教授にお墨付きをもらおうという魂胆なのかなぁ。そうだとしたら内田先生からダメ出ししていただかないと。

来年度から入部を希望制にするっていうのも「来年の新入生から」であって現1~2年生には3年引退期まで退部を許さずに「先輩たちは全員部活動をやっている」って新入生たちに強弁して新入生全員が入部するように仕向けるつもりじゃないでしょうねぇ、先生方…

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