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2020年2月22日 (土)

部活動任意加入化の令和2年度徹底は諦めざるえないのか、岩手県…

先日、岩手県体協が主催する総合型地域スポーツクラブ運営研修会を聴講させていただいた。総合型地域スポクラに関わっていないのだが、今回の趣向は総合型地域スボクラの関係者さんに部活動ガイドラインを理解してもらいつつ部活動の地域連携に関心をもってもらおうというもののようで、県教委の主任指導主事がガイドラインを説明、他県の総合型地域スポクラが実践発表、神奈川大大竹宏和教授による部活動地域連携論(部活動だけの話ではなかったが…)、スポーツ庁の方を交えたパネルディスカッションといった内容で、パネルディスカッションが聞きたくて参加したかったようなものだったし、何よりも私のような一般県民もどうぞご聴講くださいだったので参加させていただいた。

内容の振り返りは改めてしたいと思うが、まずは県教委が現状をどう捉えているのか見えてきたのでその部分をお知らせしたい。

運動部ガイドラインに基づいて制定された岩手県における部活動の在り方に関する方針が追って制定された文化部ガイドラインをうけて改定された最重要ポイントは「部活動を義務づけたり強制したりすることの無いよう留意しなければならない」と言う文言が盛り込まれたことであるのは言うまでも無いだろう。岩手県教委としてもそうだが、各市町村・各学校の対応模様があまり芳しくない状況にあることは察知していて、この年度末始では新入生だけは任意化する中学が少なからず有りそうだが在校生の退部まで容認する中学は僅かで新入生も含めて強制加入を続けてしまう学校が多数になりそうだという私の認識に近いらしい。

県方針は改定した、各市町村・各学校に働きかけた、年度が変わってから結果を検証しようは分からないではない。だが、そこまで分かっているのなら働きかけを強めてはいただけないものなのだろうか?通知通達の類いを出せとまでは言うまい。いろいろルートが有るもんじゃないの?ウン十年前に部活全員加入規程を全中学高校の生徒会則に盛り込ませたときのように。

なんとなくだが全ての中学・高校が在校生も含めて強制加入でなくなる状況を県教委が目指しているって各市町村や各学校には伝わってないんじゃないかと思える。8月に改定されて9月から落とし込みが始まっていたはずの県方針が学校現場では2月になってからにわかに落とし込まれ先生方のコンセンサスを得られないでいるような話も聞こえてきたり、ほとんどの市町村では旧方針のままで有ったり…

わたしの住む一関市でも市方針は去年のままである。改定された県方針を見ても練習時間や休養日は変わっていなかったから市方針を改定する必要が無いと判断したんだろうか?市議会が始まって令和2年度教育行政方針を発表していたが設定おきの部活動休養日で健康や生活とのバランスに配慮した活動を推進するとだけしか触れられていなかった。これってどうなのサ!

主任指導主事に託した私の見解メモは次のとおりである、ご参考に。
1 盛岡広域圏の中学は令和2年度新入生の部活未入部は容認するが在校生の全員加入は継続することで統一運用されることになったとの情報が有る、「義務づけたり強制することのないよう留意する」のは新入生だけなのか。学校外の競技活動団体に所属しているのに校外活動部のような事実上部活を免除する仕組みが無い中学に在籍しているため部活動と父母会練習さらには部活休養日を有名無実化する「闇部活」のようなものにまで患わされて思うように学校外の競技活動に取り組めないでいる中学生も少なくない。
2 ある県南部の校外活動部既設中学はR2年度は新入生も全員加入のままにしようという意向らしい、校外活動部が有れば全員加入のままでも良いのか。
3 学校外の球技クラブが主導して中学の当該球技部を同一メンバー化し、部活と部活父母会の練習は抑制されてもクラブで連日連夜練習している事例が複数有る。学区越境だけでなく自治体越境入通学している生徒も顕在化している。問題視しておられるのか。また、このような形態が部活動の地域連携の一態様として容認されるものなのかどうか。
4 高等学校は令和元年度上半期、学校の部活動方針をホームページに掲載していなかったり平成31年4月入学生に対して何ら説明しなかった学校が多く、未だに同様な状況が続いている学校まで有る.また、令和2年度は義務や強制というワードを使わずに新入生を含めた全員加入継続策を検討している学校があるという情報も聞こえてくる。高校の対処は練習時間抑制や休養日設定も含めて遅いのではないか、県教委は実態を把握して働きかけてきたのか。

ちなみに主任指導主事殿が全体レクチャーの中で明らかにした県内中学校の部活動強制や校外活動への配慮の実態の調査結果を紹介しておきたい。なお、平成30年度の実態を31年度(令和元年度)に調査したものであり令和元年度には幾分改善されていると思いたいがはてさて…
岩手県の中学校160
任意加入は1校のみ
全員加入かつクラブチーム等入部免除or校外活動部設置12校
全員加入かつクラブチーム等に配慮せず24校
(一関市の市立16校は全部ココかも…)
全員加入であるがクラブチーム等へ配慮していた123校
(岩手県教委H30年度実態調査)
123校も配慮してたか?申し出が有れば配慮するつもりだったとかが大半では…

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2020年2月15日 (土)

全員加入制は小規模校化に拍車を掛けている

先日、中学生硬式野球クラブや女子小中高生軟式野球クラブの関係者さんたちとお会いする機会が有った。異口同音に全員加入制でなくなれば自分たちのクラブに参加する児童生徒が増えるし、学校の部活に入部させられていても部活動ガイドラインどおりに休養日が遵守されればクラブの練習に参加できるのに…というお話しだったが、聴きってならなかったのは小規模中学校の学区から部活動を求めてペーバー転居して越境通学する中学生が目立つというお話しだった。

具体的な人数はお聞きしなかったが一人二人では無さそうである。一関一高附属中を受験して合格する生徒もいることだろうし、学年の学級数が1学級だったり2学級であったりする程度の人数規模で越境通学者が数名程度に上るようでは1学級学年ばかりになってしまう。もともと一学級にならざる得ない生徒数の学区でも一関一高附属中通学と越境通学の生徒が同様にいるのだろう。

現高校1年生のひとり息子が卒業した学年2学級の中学でも一関一高附属中に合格した生徒だけでなく市内の他校へ越境通学したメンバーがいた。男子バレーは無い、バド・柔道・剣道・体操は男女とも無い、音部も吹部も無く文化部は総合文化部(しかも美術・書道をマジにさせられる…)だけの中学校、別の活動がしたいという積極的な生徒もできれば何もしないで済ませたいという生徒も回避したい学校だろう。より小規模で設置部がより少ない学校なら尚更だろうと思う。そんな要素で小規模校化に拍車が掛けて設置部の漸減とでますます拍車が掛かるという負の連鎖なのだろう。

学校の統廃合というのは一朝一夕には進められないものだ。全ての中学校に多様な部活を維持するのは既にム~リ~。単独でチーム組成ができなくなった運動部に中総体等へ参加するための合同チームで救済するというフェーズでは無かろう。部組成そのものを大括りにしてどこで生まれ育って学区の中学に入学しても志向する競技や文化活動の部活に参加できるようにすべきだし、学校外のスポーツ・文化活動に専念したい・優先したいという生徒が顕在化していて彼らをはじめ部活動を厭嫌している生徒たちにまで部活入部を強いる「全員加入制」を撤廃しなければ、上述した負の連鎖は止められないだろう。

運動部ガイドラインFAQや文化部ガイドラインで全員加入が否定され、岩手県版ガイドラインである「岩手県における部活動の在り方にかかる方針」も昨年8月に改定されている。遅くとも新年度からは対処が求められているはずだ。県内他市町村からも無条件任意加入は新入生だけにしたような学校のウワサも聞こえてくるが、それだけでは中学生年代の多様なニーズに背を向け続けるだけになってしまう。在校生の退部未加入を容認したうえで新入生にも未入部を許容して欲しいものである。「生徒たちに説明が付かない」と感じられている先生方も多いとも聞こえてくる。「本来は入部しても入部しなくても良いものだった」とはナカナカ言えないのだろうし、自らの中高生時代と教員生活は生徒も先生も部活に総動員され、生徒指導・進路指導の根幹にしてもきたのだろうから、受け容れ難いのだろう。でも、先生方は県職員なんでしょ?「県の方針が変わった」事実を受け入れて、そのことを生徒にも保護者にもお話しいただくべきなのではないないのだろうか?県中体連会長校のN階堂副校長先生もネ!

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2020年2月 3日 (月)

岩手県版ガイドラインに異論を呈する県教育委員殿…岩手県総合教育会議議事録より

昨年12月に開催された岩手県総合教育会議の議事録が岩手県ホームページに掲載されていた。岩手県では部活動ガイドラインとは別に中学生期のスポーツ文化活動の在り方を検討する研究会が知事の提案から立ちあげられることになっていて、この日の会議でその概要が教育委員会から説明されたのだが、会議資料を見ても部活動ガイドラインそのものにはさほどの言及が無かった模様であるにもかかわらず教育委員の畠山将樹氏からおそらく部活動ガイドラインへの苦言と思われる意見が述べられている。

畠山委員:岩手県の中学校の部活動の加入率の高さが話題になって、加入が義務付けになっている仕組みを捉えて強制加入と表現されたりして、あまり良くないイメージで用いられたりすることがあります。しかしこれには子ども達の非行防止であったり、放課後の居場所づくりとして孤立や孤独を防ぐなど色々な目的を持ってこれまで学校の先生方が工夫して頑張ってきた成果が背景にあるという風に聞きます。そういう意味でいくと岩手が2位に大きく差をつけて 99%を超えると言われる、いわゆる強制加入率の高さは、実はこれまで他の地域が成し遂げられなかった子ども達への献身的な取組の成果でもあるのかなと思っています。その意味では岩手はトップランナーできたのではないかという思いもあります。だからこそ現代的な課題が今出てきている中で、これまでの取組を否定的な意味で捉えるのではなくて、先人達や今部活動を支えてくださっている先生方の努力を活かす、さらに前進するという前向きな取組を作っていくことが大事ではないかと思っているところです。

生徒の部活動加入率がトップクラスなのはほぼほぼ全ての中学校が部活加入を義務づけているからなのであって、言わば強制してきた産物。生徒の部活動加入率は全国平均でおよそ9割であるし、95%を超えている県も数県見られていて岩手県がそれほど突出しているわけでは無いし、生徒に部活加入を義務づけている学校の割合でもダントツだと言うのは約10年前に早稲田大の中澤篤史准教授が数県だけピックアップした調査の結果だろう。少なくとも青森・福島・新潟・埼玉・山梨・富山・鳥取は岩手県同様ほぼ全校である模様だし、山形・宮城・兵庫も加入義務づけ校が過半以上を占めている状況が覗える。ただ中澤調査によって岩手県だけがブラック部活県であるかのように際立ってしまったことがお怒りに繋がっているんだろうけど。

畠山氏は加入が義務づけになっている仕組みが強制加入というあまり良くないイメージを持たれていることに御心外な様子だが、義務づけられているってことと強制されているってこととは厳密には辞書的差異があるとしても同意味・同意義じゃないですか。放課後の居場所作りだったのだとすれば義務づけるまではしなくても良かったと思うし、非行防止が目的化したのは昭和50年代後半の一時期で岩手県はそれ以前から(おそらく昭和30年前後から…)各校生徒会則に全員加入規程を盛り込ませることによって学校が生徒に部活動加入を強制するのではなく生徒の自主的自発的総意で部活動加入を義務化した建前に仕向けたものと思量されるのである。生徒会則に部活動全員加入規程を盛り込ませる仕掛けをした岩手県教育界の先人たちへの敬意なり昭和50年代後半の荒れた中学時代を乗り越えた当時の先生方への感謝なりの思いがあり、中学生全員にスポーツか文化活動を取り組ませることによってスポーツ人口・文化活動人口を増やしつつアスリート・アーティストの発掘・育成・輩出に繋がったケースもあったのであろうから、この取組を継続すべきだというお考えなのだろう。百歩譲ってそれらの功績は認めるとしても後述する弊害を併発し続けていたであろうし、学校外のスポーツや文化活動に取り組み続けようとする生徒に学校部活動との両立を強いて結果的に学校外活動のほうを断念させてしまったり、経済的困窮に輪を掛けたり、人間関係で躓いてしまった生徒たちに逃げ場を与えなかったりといった弊害が無視できなくなってきていることこそ直視していただきたい。

生徒の部活動加入率が高いのは評価されるものだとしても、本来は個々の生徒が自主的自発的に参加する(入部して活動する)ものであり、全国平均約9割という数値も何らかの校内ルールで岩手県の各中学校同様に入部を義務づける仕組みにしていたり、先生方からの強い誘導で生徒が全員入部している状況を常態化させているなどの何らかの「加入強制性」で100%近くあるいは文字どおり100%の生徒が入部している学校が多いために平均値が引き上がっていると推量される。ハッキリ言って異様な数値であるし95~100%のところで競い合うかのようなことは不毛だと思う。

私自身もひとり息子もスポーツとは縁遠い生活をしているが、部活動強制への異論を発信していたら岩手県内の民間スポーツ団体に関係する方々と接点が増えてきている。部活動が義務づけられているために入団する生徒は増えないし入団していても決して多くはない練習に集まってこられないメンバーが少なくないという。両立を断念してそれらの団体を去って行く生徒も多いのだろう。岩手県版の部活動ガイドラインには制定当初から「学校外のスポーツ文化活動に取り組む生徒に配慮する取組を推進する」とうたわれ、昨夏の改定では文化部ガイドライン同様の「参加を義務づけたり活動を強制することのないよう留意すること」が盛り込まれた経緯を民間スポーツ団体の方々はよくご存知であり、これで団員たちは部活に患わされなくなり入団者も増えるだろうと期待を大きくされているはずだ。

私が住む一関市では「学校外の…」を市版ガイドラインで割愛してしまうなど県内ほとんどの学校でこの項目はスルーされてしまっていた。改定で新たに盛り込まれた「参加を義務づけたり…」も一関市は割愛するのだろうし、耳にした範囲では新年度新入生には入部は任意だと説明しながら在校生の退部は容認せず「先輩たちは部活に全員入部している」ってプレッシャーをかけようとしているとか(盛岡広域圏統一運用だという話も…盛岡教育事務所さん、どういうこと?)、保護者が嗅ぎつけなければ従来どおりで押し通そうとか、義務・強制というワードを使わずに新入生を含めた全員入部をどうにかして続けようとか、そんな話ばかりが聞こえてくる。

知事提案で旗揚げされる研究会は学校部活と地域・民間団体との役割分担であるとか協働協力する手法を模索するものであるはず。岩手県版部活動ガイドラインに有る「学校外の…」と「参加を義務づけたり…」は揺るがないものだろう。学校部活動をキッカケにしてアスリート・アーテイストとして発掘・育成・輩出される青少年はこれからもいるだろうけれども、より高いレベルを目指したり部活動では一般的では無い競技や文化活動に興味関心を寄せる青少年を邪魔立てすることからは脱却すべきで、それを知事研究会の成り行きを見つつ先延ばしすることは如何なものかと思う。一関市の小菅教育長&岩手県中体連の二階堂事務局長をはじめ、斉藤将紀県教育委員と同じようなお考えの学校関係者、教育行政関係者、各校各部の外部指導者などの方々も多いと思われるが、まずは部活動加入の強制性を排除して学校外のスポーツ文化活動へのホントのニーズを見極めることこそが知事研究会での議論に繋がるはずだと考える。市町村や学校での運用は在校生を含む加入義務づけの撤廃で有って欲しい。憶測に過ぎないが加入の義務づけをやめてもほとんどの在校生は部活を続けるだろうし8~9割の新入生は入部するだろうと思う。良識有るご判断を願いたいものだ。

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